イベルメクトール（ストロメクトールジェネリック）

イベルメクトールは、有効成分としてイベルメクチンを含有する駆虫剤です。
腸管糞線虫症や疥癬（ヒゼンダニによる皮膚疾患）に効果を発揮します。
イベルメクチンは、寄生虫の治療に使われる薬で、寄生虫の神経や筋肉に作用して動きを止め、最終的に死に至らせます。
これは、寄生虫の細胞にある特定のチャンネルに結合し、神経や筋肉を麻痺させるためです。
一方で、人間や哺乳類にはそのチャンネルが存在せず、薬が脳に届きにくいため安全に使用できます。

先発のストロメクトールが空腹時に推奨される理由

イベルメクトールの先発医薬品であるストロメクトールは、水のみで飲み、空腹時に服用することが推奨されています。
その理由は、ストロメクトールの有効成分が脂溶性の成分であり、高脂肪食とともに服用すると血中薬物濃度が増加することが報告されています。
海外で行われた試験では、脂肪を多く含む食事を服用前に摂取した場合、血中濃度-時間曲線下面積（AUC）が空腹時の約2.57倍にまで上昇することが報告されています。
血中濃度の上昇に伴い副作用リスクが理論上高まる可能性があるため、空腹時の服用が推奨されています。
ただし、臨床上の安全域は広いとされており、過剰な不安は必要ありません。

また、国内の臨床試験では空腹時に服用する条件で有効性と安全性が確認されていることから、空腹時の服用が推奨されています。

イベルメクチン含有の医薬品はどこで買える？

イベルメクチンを有効成分とする医薬品は、日本では寄生虫感染症の治療目的で医師の診察を受けたうえで処方されます。
そのため、国内で正規に入手する方法は、医療機関を通じて処方してもらうのが基本です。
医療用医薬品のため、ドラッグストアや薬局では販売されていません。

一方で、個人輸入代行サイトを利用する方法もあります。
個人輸入代行サイトでは、海外で流通しているイベルメクチン製剤を個人使用の範囲で購入することが可能です。
医療機関を受診せずに入手できますが、偽造品リスクや品質保証、用法用量の管理といった注意点もあるため、信頼できる代行業者を選び、自己判断での使用は避けましょう。
利用する場合は、厚生労働省の注意喚起も参考にしながら、安全性と利便性のバランスをよく考えることが大切です。

イベルメクチンの服用を控えるべき方

有効成分であるイベルメクチンに対して過敏症の既往歴がある方は服用できません。
再び服用すると、症状が再発する恐れがあります。

また、以下に該当する方はイベルメクチンを服用できない可能性があるので、事前に医師に相談してください。

• ロア糸状虫による重度感染を併発している方
• オンコセルカ症またはロア糸状虫症を併発している方
• HIV感染者やHTLV-1感染者など易感染性の方

因果関係は確立していませんが、ロア糸状虫の治療で抗ミクロフィラリア薬を投与すると、まれに重篤または致命的な脳症が発症することがあります。

また、オンコセルカ症またはロア糸状虫症を併発している方が服用した場合、昏睡や精神状態変化、歩行困難、錯乱など重大な副作用およびマゾッティ反応（線虫感染症の治療中に見られる急性の免疫炎症反応）が起こるとの報告もあるため注意しましょう。

この他、HIV感染者やHTLV-1感染者など易感染性の方は通常よりも多くの服用が必要となり、治癒に至らないことがあります。

【監修者コメント】

イベルメクトールに関する情報は、国内外の医薬品データやイベルメクチン製剤に関する文献、インタビューフォームなどを参照して構成しています。
医薬品としての効果やリスクを踏まえ、薬剤師が監修しており、内容の正確性にも配慮しています。
イベルメクトールは体質によって効果や副作用のあらわれ方が異なる可能性があるため、使用にあたっては注意が必要です。
薬の相互作用や副作用リスクを避けるためにも、購入前には必ず医師や薬剤師に相談し、指示された用法用量を守って正しく服用することが大切です。

イベルメクトール(ストロメクトールジェネリック)の保管方法

イベルメクトールは、高温や湿気、直射日光を避け、室温で保管することが推奨されます。
特に小児の誤飲や事故を防ぐため、必ず子どもの手が届かない場所で保管してください。
品質の変化を防ぐためにも、他の容器に移し替えて保存するのは避けましょう。

有効期限が過ぎたイベルメクトールは、成分が劣化している可能性があり、十分に効果が得られないばかりか安全性にも問題が生じることがあります。
安心して使用するためには、保管方法を守ることと、有効期限を確認することが重要です。

メーカー

イベルメクトールは、インドに拠点を置くSun Pharmaによって製造販売されています。
Sun Pharmaは、世界第4位のジェネリック医薬品会社です。
手頃な価格で購入できる高品質な医薬品を世界100ヶ国以上に提供しています。
1983年に設立され、世界売上高58億ドルを誇る大手企業です。

イベルメクトール(ストロメクトールジェネリック)に関するよくある質問

妊娠中や授乳中の使用に関しては安全性が確立されていません。
そのため、原則として妊婦や授乳婦への投与は避けるべきとされています。
妊娠中の女性が感染症にかかった場合には、胎児への影響を考慮し、必ず医師の判断が必要です。
また、授乳中に服用した場合、母乳を通して乳児に成分が移行する可能性も指摘されており注意が必要です。
自己判断で服用せず、妊娠や授乳の可能性がある方は必ず医師に相談してください。

イベルメクトールは、一般的に長期連用する薬ではありません。
多くの場合、寄生虫感染に対して単回または短期間で投与されます。
長期的に使うことで副作用や肝機能への影響が強まる可能性があるため、医師の指示を超えた自己判断での使用は避けるべきです。
もし再感染や効果不十分が疑われる場合には、追加投与が必要かどうかを医師が判断します。
定期的な服用で予防効果が期待できるわけではないため、誤った使用は控えましょう。

イベルメクトールは本来錠剤の形で設計されており、そのまま服用することを前提としている薬です。
粉砕して粉状で飲むと、薬の安定性が損なわれたり、正しい用量が保てなくなったりする危険があります。
また、味やにおいで服用が困難になる場合もあります。
さらに、粉砕することで異物混入のリスクが高まり、衛生面でも問題が生じるので注意が必要です。
安全に服用するためには、必ず元の形のまま水で服用しましょう。

イベルメクトールの副作用として、「傾眠（眠気）」が頻度不明で報告されています。
多くの場合は一過性で軽度とされますが、体質によって強くあらわれることもあります。
眠気が出ると注意力や集中力が低下し、車の運転や機械の操作に支障をきたす恐れがあるため、服用後の行動には注意が必要です。
もし強い眠気や日常生活に支障が出るような症状が続く場合は、自己判断で中止せず医師に相談してください。

イベルメクトールは寄生虫感染症の治療薬であり、定期的に服用することで予防効果が得られるものではありません。
感染が確認された場合に、医師の診断に基づいて必要な用量を服用するのが正しい使い方です。
自己判断で繰り返し飲むと、肝機能への負担や副作用のリスクが高まる可能性があり、かえって健康を損なう恐れがあります。
寄生虫感染を防ぐには、衛生的な生活環境を整えることや食品・飲料水の管理が大切です。
もし感染のリスクが高い環境にある場合には、定期服用ではなく、医師に相談して適切な予防法や検査の必要性について確認することが重要です。